普通
何者にもなれない
いかにも凡人が抱きそうな悩みだ。
もれなく私もそんな悩みを抱える人間の1人となっている。何者にもなれない。ナンバーワンにならなくてもいいと言ったって、オンリーワンにもなれない。没個性、歯車、普通、何者でもない自分という人間が、ただそこに存在するだけ。
誰かの眼差しの中で生きていきたいと思う。誰かの特別な存在として生きていきたいと思う。
誰かにとって大切な友人であったり恋人であったり。でも、それさえできない。それこそできない。
誰かにとっての親友になれそうもない、誰かが大切に思う恋人にもなれない。
それでもなお、自分は世界に自分しかいない。
何者にもなれなくたって、この世に存在するたった1人の自分を肯定すべきなのかもしれない。世界に一つだけの花の歌詞にも、"もともと特別なOnly one"とあるように、自分が何になろうとも(何にもなれなくても)、もとから特別なものとして、それを受け入れてあげなきゃいけない。
そうは言っても、何者にもなれない苦しみはこれからも多分続いていく。もしかしたら死ぬまで続いていく。苦しみを骨の髄まで染み込ませて、生きていく。
何もない人生が確かにそこにあったことを証明する。
何も、ない。が、本当に何もなければ何もないも残らない。確かにそこに無いがあったことを